入試倍率の変遷
入試倍率の変遷
高専の入試倍率と志願割合の変化のグラフです。志願倍率は初期の高専は著しく高く,その後の昭和40年代後半から微減しているもののおおむね2倍で推移しています。実は,倍率低下は言われているほど著しいものではなかったわけです。また,中学卒業者に占める高専志願者の割合は昭和62年を最低として,現在では1.7%程度まで回復傾向にあります。したがって,高専の人気がなくなったということはなく,少子化による志願者の微減と結論づけることができます。また,志願者の割合が増加傾向にあるにもかかわらず学力低下が指摘されるのは,少子化やゆとり教育によるものであるといえます。
深刻な受験者減少,学力低下
近年の高専の受験者数の減少は著しいものとなっています。独立行政法人国立高等専門学校機構 今後の高専の在り方検討小委員会「今後の国立高専の整備について(中間まとめ)PDF形式」によると次のようにあります。
15歳人口の減少とも相まって、高専にとっては優秀な学生を確保することが更に難しい状況となっている。その結果、高専入学後の学力面で、いわゆる「二 (ふた)こぶ化」現象が生じつつある。
これが高専の運営側の本音です。入学してきた下位の半数は学力面に問題があると認めていることになります。言い換えれば,入学してきた半数は留年,退学の危機に常にさらされることになります。学校側はより優秀な学生に入学して欲しいのですが,定員を満たすために学力が足りていない生徒の採用もやむなしといったところです。