中学生向けに高専入試について解説。卒業後の進路(編入学、就職)や学生生活についての記事を掲載。

勉強についていけるか?

留年する人

 高専で留年する人のたいていは,目標がしっかりとしない人です。また,自分がその科を選択したのは間違いだったと考える人もやる気がなくなって,留年します。当然ながら,勉強をしなければテストで合格点を取れないので留年します。高専は,ほとんどテストの点数で成績が決まります。最近は,「JABEE」の導入によりさらにテストの点数が成績全体に対する割合が増しています。
 しかし,学校側としても留年生を大量に出すわけにもいかないので,テストの問題を事前に教えたり,テスト自体を簡単にして対応しています(あんましよくないと思うけど)。そのため,むしろテストで点数を取るのは楽になったかもしれません。ですから,テスト前に最低限の勉強をすれば留年はしません。
 高専は留年する人が多いといってもあくまでも一部の人です。普通の人は留年しません。

数学・物理

 高専で一般に難関な科目は数学,物理です。難しいというのは進度が速いからです。数学になると週に50分×8コマなどという時間割も普通にあります。これら科目は自分で復習するなどして補わないと,完全に理解するのは非常に難しいです。中学校で習う数学は簡単だと思えるくらいの気持ちでないと,入った後についていくのは厳しいかもしれません。
 数学は,工学において非常に重要です。私は入学したての頃,一般に用いる計算は中学くらいのもので用が足りると思っていましたが,実際には高度な数学が必要です。微分・積分(※)は使えるのは当たり前で,さらにそれを応用したものも必要となってきます。実際,私も上級生になってきて数学の必要性を痛感しました。工学では,数学はツール(道具)なので使えると非常に幅が広がり便利です。
 物理も工学の基礎となる考え方なので,非常に重要な学問です。高専では,結構ハードに鍛えられると思います。ですから,物理が嫌いになると厳しいと思います。ちなみに,物理は力学,電気磁気学,熱力学,波動などを扱います。
※ 微分・・・グラフでの曲線の接線を求めるために使う。微小な量を考える。 ※ 積分・・・面積を求めるために使う。

英語

 英語はできなくても高専でついていけます。高専生の大部分は英語はほとんどできません。授業のレベルもとても低いです。最近は卒業時にTOEICの350点程度※(または英検準2級)を目標にしている高専が多くありますが,要求されている英語のレベルは非常に低いです。こんなレベルじゃ使えるレベルではないでしょう。ちなみに高専生のTOEICのスコアは,各種学校の中で最低です。

TOEIC (IP) 平均スコア http://www.toeic.or.jp/toeic/data/
高校:379
高専:344

大学:428
理・工・農学系(大学・短大・専門・高専計):396
入社1年目の社員:473
TOEICの全体平均:446
 どちらにしろ,英語は非常に大切なので独学などで補う必要があります。編入試験を受ける場合も必須です。
※ 専攻科卒業時には400点が必要な高専もあります。


専門科目

 本来なら専門科目は好きじゃないとおかしいです。しかし,入学前の想像と入学後の現実にギャップを感じることはあるでしょう。工学系は,計算ができて当たり前の科目は非常に多いです。ただ,入学してみないと実際に勉強する内容はわからないと思います。モチベーションをあげるためにも,専門を勉強する上では,何に役立つのかを考えながら勉強することが大切です。専門とは一生付き合うことに なるのですから。

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