中学生向けに高専入試について解説。卒業後の進路(編入学、就職)や学生生活についての記事を掲載。

工学の重要性

工学とは何か?

 高専の学科名には「~工学科」とついている場合が多いです。さて,工学とはいったいなんでしょうか。三省堂の大辞林によると,工学とは

科学知識を応用して、大規模に物品を生産するための方法を研究する学問。広義には、ある物を作り出したり、ある事を実現させたりするための方法・システムなどを研究する学問の総称。
とあります。英語で言うと,エンジニアリング(engineering)です。工学は科学技術を「応用」して,生産に活用するとための学問なのです。何で,こんなことを書いたかと言うと,高専の面接で聞かれる場合があるからです。

工学は重要なのですが・・・

 改めて言うまでもありませんが日本は資源のない国です。したがって,他国から「材料」を買ってきて,付加価値をつけて「製品」にしなくてはいけません。この「ものづくり」を支える学問が工学です。工学が日本の大部分を支えているのです。しかしながら,現在でも日本では理工系を軽視する傾向が強く,理工系研究者・技術者からは改善が求められています。

まだまだ足らない工学系従事者

科学技術白書(文部科学省によると次のようにあります。

我が国では、経済成長や産業構造の変化によっては、研究者・技術者が2030年ごろには100万人以上不足する可能性がある
 近年,少子化と団塊世代の大量引退によって技術者が大量に不足しています。したがって,買い手市場から一気に売り手市場となりました。私のいるクラスの就職希望の人は,一社目で内定をもらっている人がほとんどです。特に,機械系や電気系のような実際に製品を製造する業界では以前の不況の時でも人材が全く足りていないという,新卒者の慢性的な不足に陥っています。情報系などのソフトウェア業界はいずれは飽和するとの見方はありますが,今のところは就職先は広いです。また,土木系も高専卒だとまだまだ就職はあるようです。
 最近では,技術者の不足を補うために中国などからも大量に人材が流れ込んできています。教育改革などで日本人の技術者を増すなどして,技術者不足に歯止めをかけないと日本の重要な産業である「ものづくり」が衰退してしまいます。


↑ PAGE TOP