高専とはなにか?
高等専門学校(高専)とは
高等専門学校(高専)は実践的・創造的技術者を養成することを目的とした高等教育機関です。全国各地に設置されており、1つの都道府県におおむね1校設置されています。2015年4月現在は全国に国立高専(※1)が51校,公立高専が3校、私立高専が3校の計57校あります。高専の数(51校)は高校の数(4981校)と比較すると1パーセントにすぎなく、一般に知名度は低いです。しかし、工業系の業界ではかなり知られています。
また、高等専門学校は大学や短大と同程度の高等教育機関とされており、高校などの中等教育期間と区別されています。
※1 2005年の国立大学等の独立行政法人化(独法化)により,国立高専の運営は文部科学省
の直属から,独立行政法人国立高等専門学校機構に変更されました
高専の教育が目指すもの
高専はその大部分が工業系の学校です。これらを工業高専といい、技術者(エンジニア)の育成を目的としています。
このため、授業に専門科目や実験・実習があります。専門科目は1年時から始まり、高学年につれて増えていきます。
学科は、機械系、材料系、電気系、制御系、情報系、建築・土木・環境系などがあります。また,工業高専以外にも航海について勉強する商船高専があります。
在学期間は5年間
高専は中学卒業後に入学可能で、5年間の一貫教育をしています。5年間ですから卒業すると,高校3年+短大2年と同じ年数であることから,短大卒と同等の扱いを受け、卒業すると準学士という資格が与えられます。
高度経済成長期(1960年代)に高専の制度が制定されました。当時の時代背景において、技術者の不足を補うために、5年間という早い期間で即戦力となり得る技術者の教育、例えれば「即席」技術者の育成を目的として作られたことからきています。
5年間において専門科目に関しては大学学部とほぼ同等のレベルの学習をします(理解度には人それぞれ差がありますが)。それゆえ、大学卒よりも高専卒の方の知識が豊富なこともよくあります。しかし、残念ながら高専卒の方がいくら優秀であっても現在の社会の通例上では、大卒の方が給料は良く出世もできる傾向にあります。このため、大学に編入する人が増えています。